運送業界にあるさまざまな配送方法の中でも、今回は臨時で一時的に単発利用することができる、スポット運送について解説します。レンタカーのようにその時だけ利用できるスポット運送は、運転をプロのドライバーに任せることができるので、一時的に運送が必要な時に便利です。
- トラックのレンタカーを借りて荷物を運ぼうとしている
- いつも宅配便を使っているが荷物の小口数が増えた。
- 短期で運送を利用したい。
このような時にはスポット運送をしている運送会社を知っていると便利です。近隣の運送会社でスポット運送を利用できればベストですね。
さて、それではスポット運送について、他の配送方法とどのように違うのか、いざ使おうと思ってもどのように利用すればいいのか分からないことも多いでしょう。
この記事ではスポット配送の基本的な知識から他の配送方法との違い、上手な使い方まで詳しく解説します。デメリットや注意点にも触れているので、スポット配送を利用する際のリスクも把握できますよ。
ぜひ最後までお読みいただき、スポット配送の活用方法をマスターしてください。
2トントラックのスポット配送とは、レンタカーと何が違うのか
スポット配送とは、定期便やルート配送とは異なり1度限りの配送を行うサービスです。
予定していたトラックに積み切れなかった荷物を配送したり、急に発送が必要になったりした際に利用されることが多い方法です。
よく混同されるチャーター便は、時間帯で車両を貸し切って何度も利用できる特徴があります。
一方スポット配送は、荷主の都合に合わせて指定した日時に、荷物を配送できる点がチャーター便と異なります。
スポット配送なら状況に応じて柔軟な配送ができますので、急な出荷や繁忙期に追加で商品を発送する際に役立ちます。
また運送会社にとっても空車のリスクを減らせる場合がありますので、双方にメリットがあるサービスといえます。
車両は状況に応じて必要なサイズを利用できる分、運賃・料金も変動するのが一般的です。
急に利用するときに慌てないように、事前に運送会社に確認しておくことをおすすめします。
スポット配送は臨時的に利用する運送サービスのため、日ごろからの運送業者との信頼関係が重要です。
信頼できる業者を見つけ普段から適切なコミュニケーションを図ることが、スムーズな配送の実現につながります。
東京都内のスポット配送なら、シゲタイーエックスにお問い合わせください。
状況にあわせて軽貨物から2トン車など、小回りの利く車両をご用意しております。
スポット配送とレンタカーとの違い。標準的な運賃・料金
軽貨物のスポット配送について一般的な運賃
ここでは、宅配などで利用されている軽貨物スポット配送の標準的な運賃・料金として、赤帽(全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会)を参考に紹介します。
スポット配送の運賃・料金を算出するには、以下の1~4を理解することが必要です。
1.距離制運賃または時間制運賃
2.運賃割増
3.諸料金
4.地区割増
ひとつずつ解説します。
1.距離制運賃または時間制運賃
基本的な運賃は、距離制または時間制で算出します。
どちらの方法を適用するかを決める要因は、実際に荷物を運ぶ距離と時間です。
たとえば距離が短く、拘束時間が6時間のように長い場合は「時間制」が採用されます。
反対に距離が長い場合は拘束時間も長くなりますので「距離制」が適用されるのが一般的です。
具体的な金額は以下のとおりです。
【距離制の場合】
距離制運賃料金(1km未満四捨五入) | 金額(税込) |
20kmまで | 一律4,400円 |
21km~50kmまで(1kmにつき) | 220円 |
51km~100kmまで(1kmにつき) | 165円 |
101km~150kmまで(1kmにつき) | 132円 |
151km以上(1kmにつき) | 110円 |
【時間制の場合】
時間制運賃料金(荷扱労力費含む) | 金額(税込) |
2時間貸切料金基礎走行キロ20kmまで | 一律4,400円 |
(超過時間30分までごとに) | 220円 |
1日(8時間)貸切料金基礎走行キロ80kmまで | 165円 |
2.運賃割増
運賃割増は、休日(日曜・祝祭日)または深夜に配送するときに適用されます。
具体的には以下のとおりです。
- 休日割増(日曜・祝祭日):2割増
- 深夜割増:2割増
3.諸料金
「諸料金」は、距離制運賃の場合のみ適用される追加料金です。
具体的な内容と金額は以下のとおりです。
- 荷扱労力費:15分までごとに550円加算
- 車両留置料:30分まで無料、超過時間30分までごとに1,100円加算
「荷扱労力費」とは、積み込みや積み下ろしにかかった合計時間で算出されます。
「車両留置料」は、荷物を積むために待っている「荷待ち」にかかる料金です。
4.地区割増
「地区割増」も、距離制運賃の場合のみ適用されます。
東京都特定区(23区)・大阪市での移動の場合、440円が加算されます。
実際に支払う金額は、時間や距離、通る地域や時間帯などによって変わります。
依頼する運送会社が決まっていれば、具体的な条件や金額を問い合わせてみましょう。
2トントラックを含む、一般貨物の標準的な運賃
2トントラックを含む一般貨物の標準的な運賃は、下記の記事を参照してください。
2トントラック、スポット配送利用のメリット
2トントラックのスポット運送にはさまざまなメリットがあります。
ここでは以下の3つを紹介します。
- 柔軟な配送ができる
- コストが節約できる
- リソースを効率的に活用できる
ほかにも企業の配送形態によっては、ほかのメリットもあるかもしれません。
自社の状況と照らし合わせてご覧ください。
柔軟な配送ができる
スポット配送の大きなメリットの一つは、柔軟な配送ができることです。
定期便やチャーター便の場合は事前に配送スケジュールを計画し、運送会社と打ち合わせておく必要があります。
しかしスポット配送は、その時々の配送ニーズに合わせて依頼することが可能です。
たとえば急な出荷や追加配送が必要な場合でも、スポット配送を利用すればすぐに対応できます。
その時に使用できるトラックや車両を活用するため、車両の空き状況によっては荷物の種類や容量に最適な配送が可能です。
荷物の種類などだけでなく、大きさや重さ、運送距離などに対して最適な配送方法を選択できます。
ニーズに合わせられる柔軟性は、スポット配送が多くの荷主に利用される理由の一つです。
コストが節約できる
スポット配送は、定期便を契約するよりもコストを節約できるケースもあります。
荷物を送る必要が発生するたびに契約するため、本当に必要な配送だけにコストをかけられるためです。
たとえば定期便を契約している場合、運ぶ荷物が無くても料金が発生してしまいます。
特に忙しい時期と閑散期で荷物の量が変わる企業は、時期によってムダが発生する可能性も。
しかしスポット配送なら荷物に合わせた車両を手配できるため、ムダなスペースが生じません。
もし休日や深夜など割増運賃がかかっても、ムダな定期便を契約するよりリーズナブルに済ませられる可能性もあります。
ただしスポット配送の運賃は、需要と供給のバランスによって変動する可能性がありますので注意が必要です。
リソースを効率的に活用できる
スポット配送を利用することで、企業は自社のリソースを効率的に活用できます。
例えば急な発送が必要になった場合、倉庫に取りに行ったり配送するための従業員を手配したりしなければいけません。
もしも自社で荷物を運ぶための車両を持っていなければ、車両の手配も必要になります。
さらに休日や深夜なら、必要なリソースの手配がより難しくなるでしょう。
特に繁忙期やイベント時には、荷物の積み忘れや追加の配送などが発生しがちです。
スポット配送を活用することで、追加のトラックやドライバーを手配することなく荷物を配送できます。
スポット配送を有効に活用すれば、自社の限られたリソースを最大限活用することにつながります。
シゲタイーエックスでは、建築資材やイベント用の道具、楽器の配送など幅広い実績があります。
スポット配送に関して困っていることがあれば、いつでもお問い合わせください。
スポット配送のデメリットと注意点
スポット配送を利用する際は、デメリットと注意点も把握しておくことが重要です。
実際にスポット配送を活用してから後悔しないように、価格が変動する点などのデメリットに気をつけましょう。
また日ごろから信頼できる運送会社を見つけておくことも、スポット配送を上手に使うためのコツです。
デメリット:価格が変動する
スポット配送のデメリットは、価格が変動する点です。
価格が変動する理由は、時期などさまざまな要因によって需要と供給のバランスが変わるためです。
需要が高まる時期としては、クリスマスケーキやおせちの配送が増える年末や、移動が増える新年度などがあります。
また旅行者や修学旅行が増える時期も、カバンやスーツケースの運搬により需要が高まる傾向があります。
需要が多い時期は運賃が上がることがありますし、逆に需要が少ない時期には運賃が下がることもあります。
スポット配送を利用する際は、運賃が時期によって異なることを理解しておく必要があります。
急にスポット配送が必要になったときに予算オーバーにならないように、事前に運送会社に問い合わせておくと安心です。
注意点:信頼できる運送会社を見つけておく
スポット配送を利用するケースは、荷物の積み忘れや追加の受注など急きょの発送であることが少なくありません。
急いで荷物を発送しなければいけない場面でも迷わず発注できる、信頼の高い運送会社を見つけておくのがおすすめです。
可能な限り緊急時以外にスポット配送を利用しておけば、配送の品質を見極めることが可能です。
運送会社によっては別の配送方法に特化していて、スポット配送が得意ではない可能性もあります。
実際にスポット配送を依頼しなくても、口コミや評判をチェックすることも有効です。
荷物の取り扱い方や運送条件など、自社のニーズに合った業者かどうかをチェックしてみましょう。
信頼できる運送会社を事前に選ぶことで、安心してスポット配送を活用できるようになります。
ほかの配送方法との違い
ここではスポット配送と「チャーター便」「定期便」「ルート配送」との違いを解説します。
用語や配送形態の違いを理解し、適切な方法を選べるようにしましょう。
チャーター便との違い
スポット配送とチャーター便の大きな違いは、利用期間です。
チャーター便は、専用の車両とドライバーを貸し切って荷物を運ぶ方法です。
一定期間、自社製品を大量に配送したい場合や、定期的に配送したい場合などに利用されます。
これに対しスポット配送は、1度だけの契約で荷物を運びます。
チャーター便は計画性がある際に利用され、スポット配送は緊急時に利用されるケースが少なくありません。
たとえば取引先への納品漏れがあった場合や、休日や夜間に急きょ配送が必要になったときなどはスポット配送が便利です。
いずれの方法も混載便と異なり、他の荷物と一緒にならないため荷主のニーズに柔軟に対応できる点が特徴です。
定期便との違い
定期便は決まったスケジュールで運行される配送方法で、荷物を定期的に運ぶ場合に適しています。
集荷場所や目的地、配送ルートなどがあらかじめ決められているため、安定的な配送ができる点が定期便の大きな特徴です。
配送が安定している分、運賃が安定していることがメリットですが、柔軟性に欠ける場合がありますので注意が必要です。
スポット配送は1度限りの配送のため、自社のニーズに合わせて計画を立てられる点が大きな違いです。
荷物を引き取りに行く場所や目的地などは、その時の荷主の要望に合わせて決められます。
時期や繁閑に左右されない場合は定期便を利用して、積み切れなかった荷物をスポット配送で運ぶ、といった使い方もできます。
路線便との違い
路線便とは、運送会社があらかじめルートを定めて配送する方法で、希望の配送先がルート上にある場合は効率的な活用ができます。
しかし、スポット配送とは異なりルートが決められているため、柔軟性に欠ける点がデメリットです。
また定期便とも異なり、複数企業の荷物を扱う可能性もありますので、配送日時や扱う荷物の種類なども制限される点にも注意しましょう。
スポット便は需要により価格が変動するケースがありますが、定期便は比較的コストを抑えやすい傾向があります。
他企業の荷物との混載便でも問題なく、かつ定期的に配送する荷物は路線便を活用した方がリーズナブルかもしれません。
それぞれの特徴やデメリットを理解して、自社にもっとも適切な配送方法を選びましょう。
スポット配送の上手な使い方
ここではスポット配送を上手に活用するための使い方として、以下の3つを紹介します。
- 適切な業者を事前に選んでおく
- 急なトラブル時に利用する
- 繁忙期やイベント時に利用する
実際にスポット配送を利用する際、後悔しないようにポイントを押さえておきましょう。
適切な業者を事前に選んでおく
スポット配送を上手に利用するためには、適切な業者を事前に選んでおくことが大切です。
今すぐ荷物を送らなければいけない時に、各業者の特徴や料金、連絡先などを調べるのは効率的とはいえません。
余裕のある時に信頼性のある運送会社をリサーチし、ホームページなどで実績や料金、特徴などを確認しておくのがおすすめです。
SNS上の口コミや感想などは、実際に利用した人の声として参考になるでしょう。
また料金に関しては、実際の依頼内容や時期によって変動することも少なくありません。
事前に複数の業者から同じ条件で見積もりをとって比較することで、料金やサービス内容の目安を把握できます。
さらに緊急時でも連絡が取れるよう、担当者の連絡先を把握しておくと安心です。
急なトラブル時に利用する
スポット配送は、急なトラブルや緊急の配送ニーズが生じた場合とても便利です。
休日や夜間など、通常の配送方法では対応が難しい場合でも、スポット配送なら柔軟に対応できる可能性があります。
たとえば取引先への納品もれがあった場合や、1時間後に納品しなければならない、といった急なトラブルはありませんか?
事前にスポット配送を依頼する業者を選んでおけば、すぐに連絡しスピーディに対応してもらえるかもしれません。
もちろん空いている車両があるか、ドライバーの手配ができるかなど条件が揃っていることが前提です。
急を要する配送にも対応できる柔軟性の高さが、スポット配送の大きな特徴です。
選択肢のひとつとして持っておくだけで、リスクを減らせて取引先からの信頼獲得につながります。
繁忙期やイベント時に利用する
繁忙期やイベント時など、ふだんよりも荷物が増える場合にスポット配送を活用することもおすすめです。
配送量の変動に合わせて配送方法を変えることで、コストを押さえられる可能性が高くなるためです。
たとえば年間をとおして必ず配送する取引先がある場合は、定期便や路線便を活用することで安定して配送できます。
定期便で運びきれない荷物が発生した際に、スポット配送を活用することで年間をとおしたコスト削減につながります。
ただし繁忙期などは他社も同じようなニーズがある可能性も高いため、事前に業者とスケジュールについて確認しておくのがおすすめです。
また運送会社によっては繁忙期に料金が上がることがあるので、その点も確認しておきましょう。
具体的な依頼方法
- 適切な業者のリサーチ
インターネットなどで配送業者を探す場合は、自社が配送したいエリアに対応しているかを確認しましょう。
その上で特徴や料金の目安、口コミなどを調べて信頼できるかどうかを確認します。
できれば余裕のある時に調べて、緊急時に慌てないようにしてください。
- 見積もりの取得
荷物の量やサイズ、重量、出発地や目的地などの配送内容を明確にし、複数の業者から見積もりを取得しましょう。
1社だけだと比較対象がなく適正な料金か判断できませんので、見積もりはできるだけ複数社から取得することをおすすめします。
- 業者との交渉
見積もりに納得できる業者があれば、配送スケジュールなどの細かい部分を調整します。
配送に関することだけでなく、支払い方法なども確認しておけばトラブルを防止できます。
- 依頼手続き
契約書の締結や配送手続きのフォーム記入など、定められた手順で依頼しましょう。
緊急時の手続き方法も事前に確認しておけば、急なトラブルにも安心して対処できます。
- 配送の追跡と受け取り
業者によっては、配送状況を確認することも可能です。
荷物が無事に届いたことを確認したら、支払い手続きをすすめます。
まとめ
本記事では、スポット配送について詳しく解説してきました。
内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
- 料金は「基本運賃+諸料金+割増運賃」が基本
- 柔軟に配送できる点がメリット
- デメリットは料金が変動する可能性があること
- 他の配送方法と組み合わせて利用するのがおすすめ
- 緊急時にあわてないように事前に業者の目星をつけておく
荷物の量や配送ルートなど、荷主のニーズに合わせられる点がスポット配送の大きな特徴です。
しかし配送が必要になってから業者を探すことは、最悪の場合、業者がみつからない可能性もあるためおすすめしません。
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