事故の発生原因ともなるフェード現象とは?

コラム 交通安全・一般

gray concrete road beside brown mountain during golden hour

東京の運送会社、シゲタイーエックスです。

2022年10月に、静岡県の県道150号『ふじあざみライン』で、大型観光バスが横転する事故がありました。このバスに乗っていた運転手さんの証言では「ブレーキが効かなくなった」と話しており、この事故の原因としてフェード現象の可能性が考えられているとのことです。

フェード現象とは、ブレーキが弱まる現象です。

close up photo of ferrari rim

フェード現象のフェードとは、英語のfadeで、弱くなる、薄くなるなどの意味があります。車のブレーキが弱くなるので、フェード現象と呼ばれています。

フェード現象は、自動車やバイクで走行しているときにブレーキペダルを連続して踏んでいるときに発生します。ブレーキペダルを踏み続けることでブレーキ内では摩擦熱が発生します。そして、その摩擦熱によりブレーキが過剰に加熱されると、摩擦を生み出してブレーキを効かすためのブレーキパッドが高温になり、摩擦ブレーキが効かなくなってしまうのです。

フェード現象は熱が逃げにくい構造のドラムブレーキの車両で発生しやすいですが、比較的フェード現象に強いといわれているディスクブレーキの車両でも発生することがあります。

この現象は特に、長い下り坂でブレーキペダルを踏み続けることで発生する場合が多いです。長い下り坂を走るときはギアを下げてエンジンブレーキを活用することが、フェード現象の発生を抑える秘訣となります。

勾配のきつい峠道などを走る際は十分に注意しましょう。

フェード現象の発生を防ぐには

yellow volkswagen beetle die cast on floor

フェード現象は、ブレーキを踏みすぎることで発生します。そのため、ブレーキを適切に使用することでフェード現象の発生を防ぐことができます。

  • 長い下り坂ではギアを落として減速する。(エンジンブレーキの活用)
  • トラックやバス・キャンピングカーなどでは、排気ブレーキを併用する。
  • ブレーキを踏むときは断続的に使用し、ブレーキに熱が蓄積しないようにする。
  • 車間距離を大きく取り、不要なブレーキの発生を防ぐ。

特にトラックやバスは一般的に放熱性の悪いドラムブレーキを使っていますので、トラックでのフェード現象を避けるには、下り坂に入る前から、早めにギアを下げて、さらに排気ブレーキなどの補助ブレーキを効かせて、極力フットブレーキに熱がたまらないように注意する必要があります。

トラックであれば、荷物を満載したときは特に要注意です。急な下り坂を走る際に短時間で連続的にフットブレーキのみでの減速をしてしまうと、あっという間にフェード現象が発生しブレーキが弱くなってしまいます。

繰り返しになりますが、勾配のきつい下り坂では油断せず、事前に減速して、フットブレーキの使用を最小限に抑えられるように、エンジンブレーキと補助ブレーキを活用しましょう。

※当サイトはリンクフリーです。お役に立ちそうな内容がありましたら引用などご自由にお使いください。

【出典:東京の運送会社シゲタイーエックス】と併記いただけますと幸いです。

関連記事

最近の記事

  1. 安全性優良事業所認定と運送会社の適正化について

  2. 運送会社の繁忙期について:年末と年度末にピークを迎える理由とその傾向

  3. 芸術の秋に活躍するトラックチャーター便:イベント運営の心強いパートナー

  4. トラック運送会社のエコドライブ術:環境に優しい運転のコツ

カテゴリー

アーカイブ

おすすめ記事

  1. 2トントラック貸切チャーター便は安い?料金の相場や注文方法

人気の記事